渡辺 綱(わたなべのつなは平安時代中期の武将。嵯峨源氏の源融の子孫で、通称は渡辺源次、正式な名のりは源綱(みなもとのつな))。頼光四天王の筆頭。源頼光が酒呑童子を討伐した後、屋敷で頼光四天王と平井保昌とともに宴を催していたところ羅生門にも鬼がいて悪さを繰り返しているという話しが伝わった。渡辺 綱は単身で乗りこみ、格闘の末、鬼の右腕を源氏の名刀「髭切りの太刀」で切り落とした。渡辺 綱は鬼の腕を石の長持ちに隠し、10人の家来を従えて逃げた鬼を探して諸国を探し歩いた。姥ヶ懐についたとき、腕を取り返そうと狙っていた鬼が一計を案じた。鬼は渡辺 綱のおばに化け、京の都で切り落としたという鬼の腕を見せてくれるように頼んだ。腕を見せると、鬼は姿を現し腕を掴むと囲炉裏の自在かぎを伝って上にのぼり天井の煙出しから外に逃げてしまった。渡辺 綱が刀を抜いて追いかけるとあわてた鬼は転んでしまいおき上がるときにそばにあった石に左手をついて立ち上がりそのまま逃げてしまった。その後、姥ヶ懐では渡辺 綱の気持ちを思い、囲炉裏の自在かぎと天井の煙出しをつけなくなったという話しです。また節分の時も「鬼は外」といわなくなったそうな。鬼が逃げるときに手をついたという石は今でも姥ヶ懐に祀られてあります。