隣町の蔵王町には有名なものだけで5箇所の湧き水スポットがありますが、村田町にも湧き水が湧いている場所が何箇所かあります。
今回はその中から2箇所を紹介します。
先ずは、村田町内の塩内地区にある「塩内不動尊」の湧き水です。
村田町民からは「お不動さんの水」と呼ばれています。
村田保育園、幼稚園の前を通る町道を更に進むと田圃道になるのですが、道の先には赤い鳥居が見えます。
塩内不動尊の鳥居です。
さて、不動尊に祀られているのは不動明王ですが、不動明王については次のような有名なエピソードがあります。
宮城県の英雄・伊達政宗公が、幼少期に不動明王像を前にした時のエピソードです。
>梵天丸(政宗公の幼少期の名前)「不動明王は仏様なのに何故このような恐ろしい顔をしているのか?」
>仏僧「恐ろしい顔は悪をこらしめるためのものです。しかしそのような姿でも不動明王は大変慈悲深い仏様で、外に剛、内に慈悲をそなえた偉い仏様です」
>梵天丸「そうか、梵天丸もかくありたい」
このエピソードはNHKの大河ドラマ「独眼流政宗」でも有名になり、「梵天丸もかくありたい」は流行語にもなりましたが、このエピソードからも判るとおり不動明王は本来は仏様なんですよね。
それなのに神社の象徴ともいえる鳥居が建っているのはおかしいと思われるかもしれませんが、不動明王は神仏習合の修験道を行ずる修験者(山伏)に厚く信仰された仏様なので、神道信仰も相まって鳥居が建てられるようです。
修験者は艱難苦行の一つとして滝修行を行ったので、滝が落ちていたり清水が湧いている場所に象徴として不動明王を祀ったそうです。
塩内不動尊の境内です。
湧き出し口の拡大写真です。
水はミネラル分に富んでいるのか独特な味がします。
湧き水の所にある高さ130cmくらいの石塔には、今巷で密かなブームとなっている梵字が刻まれています。
更に拝殿の奥には、大正6年6月に信者の手によって建立された成田山不動尊の碑がありますが、ここにも上部に梵字が刻まれています。
この梵字はあらゆる諸仏諸尊の代行となることができるという「ア字」でしょうか?
塩内不動尊では毎年、7月末にお祭りがありますが、露店などの出店もあり大勢の来場者で賑わいます。
続いては、関場地区蔵本にある「蔵本沢不動尊」の湧き水をご紹介します。
この不動尊の湧き水の素晴らしいのは、すぐ横を道路が通っていることで、汲んだ水を車に運びやすいことですね( ^ー゚)b
清冷で癖のない美味しい水です。
周りには8つの碑がありますが、うち6つは不動尊のもので、不動明王を浮彫にしたり、不動の文字が刻まれていたりします。
綺麗に飾られて地域の人に大事にされているのが判りますね。
不動明王の頭上には堅額があり、不動明王の剣が貼りつけられています。
不動尊の湧き水は道路を挟んで向かいにある池に流れ落ちています。
池には蓮が浮かんでおり、花も咲き始めました。
仏教では、泥の中から茎が伸びて清浄無垢な花を咲かせることから「悟り」の象徴として捉えられている花です。
蓮は泥の中で育つのに清らかな蓮の花を開く。 泥はこの世の現実、蓮は仏の悟りの清浄な世界を象徴する。
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