八竜様の怪童子(沼辺・田辺) - 村田町 .com-むらたまちドットコム

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八竜様の怪童子(沼辺・田辺)

 むかし、沼辺の田辺の「はまいば」に大勢の子供が集まって遊んでおった。そこへどこからともなく一人のの子供があらわれてみんなと遊ぶようになったと。その子は顔は人の子なんだが体は熊の子のようだった。彼は朝早く誰もいないうちから「はまいば」に来ていて夕方遅くまで遊んでから帰った。でも、どこから来るのかもわからんし、何か物を食っているところも見たことがない。そしたら辺りの大人たちは「ありゃ神様の子供じゃ。罰があたるとたいへんじゃからいっしょに遊ぶな」といって子供を連れ帰るようになってしまった。とうとうその子は一人ぼっちになってしまった。するとその子は腰に下げていた袋の中から何かを取り出し、辺り一面にばらまくとぷいっと消えてしまったと。いつもいっしょに遊んでいた子供たちはその子のことが心配になって後で探しにきたんだと。そしたら、八竜様の石段をしょんぼり登っていくあの子の姿が見えた。でもその頃、八竜様と「はまいば」の間は大きな沼だったのでその子がどうやって向こうに行ったのか誰もわからんかった。するとそのとき、八竜様のお宮おの上から白い鳥が一羽、小泉の熊野神社の方へ飛んでいくのが見えた。鳥はそのまま姥ヶ懐の方へ飛んでいった。「やっぱり、あれは神の子だったんだ」とみんな納得したという。それから夏が過ぎて秋になった頃、子供たちがあそんでいたところには麻がわんさかと成った。あのとき子供がばらまいたのは麻の種だったんじゃね。村人はその麻から糸をつくって布を織り生活の足しにするようになった。それから八竜様のお祭りには麻を奉納するようになったんたと。今も小泉の熊野神社から「はまいば」まで御神輿が来るのはこんなお話があるからあるからなんじゃ。

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